ビートたけしさん著「アナログ」に学ぶ本命の女性になる方法
「男は女に夢見すぎ」「女は男に夢見すぎ」
至る所で消費されている、恋愛を主題とした娯楽を目にするたびにそう感じる方も多いことでしょう。
大抵は、そういう類のものは
「こんな女(男)いねーよ!」
と、異性から批判と嫌悪の対象にされます。
また、自分を主体とした目線で考えると、異性が幻想の同性に好意を抱くことを嫌悪します。
しかし、嫌悪するのではなく、それを逆手にとって利用する手もあります。
目次
- 男性作家の描く純愛小説
- ほとんどの女性は誰の本命にもなれない
- 男性の浮気の原因
- 本命が浮気されないメカニズム
- 本命になると得をする
- 漫画「闇金ウシジマくん」にも本命役女性が
- 本命のなり方
- 最後に男性へ
男性作家の描く純愛小説
男性作家であるビートたけしさんが執筆された恋愛小説「アナログ」↓です。
男性というとチョメチョメすることしか考えていないイメージがありますが、純愛小説です。なんと肉体関係の描写がありません。
耐えられるのでしょうか。
表面だけ取り繕って、寄ってきたところで体をいただこうという魂胆でもなさそうです。
本心から「肉体関係はいらない。この人と一緒にいるだけで幸せ」と、恋愛に酔いしれている女子のようなエモい発言をしています。
でも、ヒロインのみゆきさんの描写を見ていって納得しました。
ほとんどの女性は誰の本命にもなれない
みゆきさんはいわゆる「本命の女」になる条件を満たしている女性です。
ここで言いたい「本命の女」は、彼女であるとか妻であるとか、役職のことを指しているわけではありません。
「 本命の女性」は、男性に心底好きになってもらっている女性を指します。ベタ惚れ。
他の女性に心変わりなんてまずありえないな、って女性側が思えるほどです。
彼女でも妻でも別に「本命」じゃない人はいます。むしろそういう人の数の方が多い。
入れ込むほどベストじゃないけど、付き合うというステータスのため、社会性を保証してもらうため、寂しさを紛らわすため、性交渉のため、家政婦役が欲しかった、などなど様々な利己的な理由でパートナーを作る人が大多数です。
原因は女の人にあります。
本命にしたい、大事にしたい、と思われるような行動をとらないからです。
他人は自分の鏡です。
歴代関わってきた男性たちに大切にされないのは、自分に原因があります。
他人は人によって態度を変えてきます。誰にでも雑な態度をとる人はいません。雑な態度を取られるということは、自分が雑に扱われやすいメッセージを相手に発信しているということです。
しかしこれは幸運なことです。原因が自分にある場合、いくらでも自分の意思で変えていけます。
男性の浮気の原因
浮気をすると決まって浮気をした張本人が責められますが、男性の浮気には以下の2パターンあります。
- 男性が浮気という概念に肯定的(だから浮気を繰り返す)
- パートナーの女性が本命じゃない
前者は、女性側が何を働きかけても意味をなさないので、女性はそういう男性と見抜き、実際に手を切る、という女性側の判断力と決断力が必要です。
よく「相手が変わってくれるかも」と期待しますが、変わりません。
そもそも何においても他人には一切期待してはいけません。
他人への期待は決まって自分のエゴからきています。自分のエゴから来ているので、期待通りにいかないと怒り出します。自分が。
感情的に怒っている人は他人にとっても迷惑だし、何より自分の精神状態的に気分がよくありません。心臓病にもかかりやすくなるし。
自分で潰せる範囲の不快感の原因は潰しておきましょう。
浮気パターン二つ目の「パートナーの女性が本命じゃない」が、今回の記事で語りたいことです。
本命が浮気されないメカニズム
男性が女性に入れ込んでいたら、女性以上に一途なので浮気はしません。
他の女の人とどうでもいいような関係を持って得られる快楽よりも、本命の女の人が離れていく苦しさの方がはるかに大きいからです。
人口の二分の一は女性で、性交渉の相手は身の回りには無限に存在しますが、本命の娘はその子しかいません。その子を失えば次はもう存在しません。代用が不可能です。
逆に言えば、本命以外の女の人は代わりがいくらでもいる存在ということです。
本命になると得をする
男性作家の描いた本命の女性はファンタジーです。あんな女の人、いません。
女性が文句を言いたくなる気持ちもわかります。男性に都合のいい世界観に従い、黙って相手のエゴを満たす。
「わがまま言ってんじゃねえ。タダ働きさせてないで私の自尊心及びエゴも満たせ」と。
見返りはちゃんと返って来ます。しかも、自分が働きかけた以上の報酬です。
具体的には、
- 恋愛関係の不安がない(浮気、愛されてるかわからないなど)
- 物理的なプレゼント
- 気遣いなど精神的なプレゼント
- さらにお金を稼いでくれるようになる
ということが挙げられます。
これだけのものがもらえるなら、「男性の世界観に付き合って自分を曲げる」という初期投資なんて本当に微々たるものですね。
男性は、自分の利己心より、本命の女性には「この娘に喜んでほしい」という気持ちが先行します。その結果、本命の女性が喜び、幸せになるであろう行動を彼らなりに考え、上記の行動にたどり着きます。
漫画「闇金ウシジマくん」にも本命役女性が
漫画「闇金ウシジマくん」36巻↓から始まる「逃亡者くん」章のヒロインの女の子↑もある程度本命女性の要点を満たしています。
この漫画の中で出てきた他の話の女性は容赦なく酷い目にあっているのですが、本命女性の条件を満たすこの女の子は徹底的に守られています。
ひどい目に遭いそうになっても登場人物の男性たちになんとか助けてもらいます。言葉は大してかけてもらいませんが、一貫して行動面で優しい対応をされます。
普段血も涙も無いような行動に出る主人公ウシジマくんから、格好の餌だったにも関わらず実質的には利用されることもなし。
一巻から漫画を読んできて、「え?そんな朝ドラみたいな理由で何もしなかったの?今までの冷徹さはどうした?」と違和感を覚えました。
何より、作者に守られているのです。この女の子。
ストーリー上バッドエンドにされてません。綺麗に幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん。と根拠もなくご都合主義になっています。
男性としては、本命にしたいような特徴を兼ね備えているミューズな女性に手厳しく当たることは難しいのでしょう。
細かいことは省きますが、このヒロインの大まかな特徴は
- 誰のことも否定的に見ない(悪口、愚痴なし)
- 誰かに依存しようとしてない。自立している
- 健気で一途、感情表現が素直で、捻くれずまっすぐな印象
- 家族など周りの人間を大切にしている
です。
これ、さらっと書きましたが、人間社会を生きる女の人が実際にやろうとすると大変ですよ。
精神解体して大手術を施さなければなりません。人外を生み出す錬金術に近いかもしれません。
だから別に本心から全部こうならなくてもいいです。あくまでそう見えていればいいです。割り切っていきましょう。
本命のなり方
男性の本命の女の人像は、どの書物や作品を見ても、ある程度1つの女性像に集約されます。それを真似して擬態すればいいだけです。
今回は「アナログ」を見ていきます。
優しそう
実際に本当に心が優しい男女が異性にモテないのは周知の事実です。必要なのは計算高さです。
ミソは「優し”そう”」ってとこです。ただのイメージ。中身がどれだけ極悪非道なあなたでも「優しそう」にはなれます。
主人公悟がヒロインみゆきと初対面の場面で会話を続けたいという気になったのは、この「優しそう」の力抜きには語れません。
みゆきの見た目をまず気に入っていたこともあるのですが、初めての会話で彼女が無表情で義務的に対応していたらこうはならなかったでしょう。
悟も最低限の言葉を交わして「綺麗な人だな」と思うだけで終わっていたはずです。
みゆきは初対面の相手に笑顔を振りまいています。話しかけて笑顔。会話中にも微笑む。余裕がありますね。
また、会話中全てのことに肯定的です。ギスギス否定的な言葉を並べたりしません。
何があっても、どんなことを言われようが、普通の女性なら不機嫌になるような場面にでくわそうが、笑顔。肯定的。
これ本当に人間か?精巧なアンドロイドじゃないの?
聞く
死ぬほど使い古された手ですがやはりこれ。
ただ、相手の情報を積極的に取り入れようと、インタビュアーになってはいけないです。会話の主導権は相手にあります。常に受け身です。
とにかく、情報の単なる受け取り手であることを意識し、相手が質問して欲しそうなことを質問します。自慢話に繋がる話とか。
流れとして
男性が話しかけてくる
↓
(男性自身ではなく)話の内容に興味を持っているように振る舞う
↓
相手のセリフから私に言って欲しそうなことを読み取り、口に出す
これだけです。
相手がどれだけ好みでも、興味ない異性に接するように対応します。テンション高くならないでください。落ち着いて。
いくら興味なくても愛想笑いくらいしますよね。
別にテンションも高くならないし相手の男性自体に興味ないけど、お話が面白いからとりあえず笑って聞いてる。それくらいでいいです。
みゆきは悟の言って欲しいことを見事に言ってのけています。
以下悟のセリフから始まります。
「こういう仕事は頑固な奴が多くてなかなかまとまらないのですが、上司の岩本がみんなの意見を取り入れてようやくこんな雰囲気になりました」
と、岩本が全部やったのではなく、みんなの意見でこの店ができたことを遠回しに伝えた。彼女は興味深そうに「この雑誌には岩本さんの感性でできたと書いてありますが、そうでもないんですね」とほほえむ。
この場面を端的にまとめると、
悟は”岩本の手柄ではない”と知って欲しい
↓
みゆきが「私は”岩本の手柄ではない”と知りました」と言った
となります。もっと単純にすると、
知って欲しい
↓
「知りましたよ」
という簡単な構造で出来ていることがわかります。
この、相手の「〇〇して欲しい」をひたすら受け取り、その度に願いを叶えて相手に返せばいいだけです。
自慢したそうだったらそのことについて喋らせてあげればいいし、隠れた意図を読み取って欲しそうだったら言い当ててあげる。
こればかりはできるようになるには実践しかないので、全く気の無い異性で練習すればいいです。
金にがめつくない
これも「ように見え」ればいいです。
本命の女性はミューズです。何言ってるかわからないと思いますが、そういうもんなんだ、と、考えるのではなく感じてください。
男性にとってめっちゃ大事にしたい神聖な存在なので、俗っぽいことには興味が惹かれるような下品な女性ではありません。さすがミューズです。金より愛。
みゆきも、ブランドものが似合うような魅力がありながら、ブランドに興味がない発言をしています。
見栄を張らない
みゆきは褒められても全くいい気になった様子がありません。一貫して謙虚に振舞います。
かと言って自虐も絶対にしません。
あえて相手の意図を無視
会話の聞き手になる際に、「相手の意図を読む」ことの重要性を説きましたが、今度は逆のことをします。あえて意図がわかっていてもスルーします。
それは、単なる雑談ではなく、二人の関係の進展に必要な一歩を進めるときです。
以下、悟が「連絡先を交換しましょう」とみゆきに言わせようとする場面です。
「でも……もし来週どちらかが、用事ができて来られなかったら、連絡することもできないし、ちょっと寂しいですね」
やはり連絡先を交換できれば、という期待を込めて悟が言う。
「私は行ってると思いますが、悟さんが来ない時は都合が悪いと思うし、二回三回とつづけて来なければ、よその土地に移って行ったと思うようにします。だから来たくても来られないんだって。お互いに会いたいと思う気持ちがあれば、絶対に会えますよ。だって、ピアノに来ればいいんですもの」
みゆきはサラリとかわします。
今までだったら、
「連絡先交換して欲しい」
↓
「連絡先交換します」(悟の願望通りに動く)
だったところを、
「連絡先交換して欲しい」
↓
「連絡先は渡しません」(悟の願望に反することをする)
という流れに変えています。
連絡先交換、デートのお誘い、告白など進展のための行動は全て男性にさせてください。
意地でも自分から進展はさせない。相手に進展させるための創意工夫と努力をしてもらってください。
進展をこちらにさせるような意図を読み取ってもスルーします。
それで進展がなければもともとあなたを本命ほどには思っていなかったということです。
酒に弱い
なぜかは知りませんが本命になるような女性は軒並み酒に弱いです。そしてなぜかそれをちょっと恥ずかしそうに話します。
最後に男性へ
以上が小説「アナログ」で見た本命になるような女性の立ち振る舞いです。
女性は自分が大切にされるべく、ぜひ参考にしてみてください。
そして男性は、これらを全て満たす女性に出会ったら、それは結婚詐欺かミューズに擬態した強欲女子かアンドロイドのどれかなのですぐに逃げてください。